俺の家は父と母、俺(裕也)、それから妹の由紀子の4人家族だ。父はサラリーマン、母は専業主婦というごく普通の家族構成なのだが、問題は由紀子だ。いや、問題といっても俺にとってなのだが、由紀子は小学生の頃から勉強がよく出来る上に、スポーツ、容姿、音楽センスと何をとってもずば抜けて優秀なのだ。そのせいでこれと言って取り得のない俺はいつも「どうして由紀子が出来るのにあなたは出来ないの」とか「由紀子ちゃんのお兄ちゃんって由紀子ちゃんと全然違うよな」などと言われ続けてきた。
家を出て10分ほど歩くと大きな看板が見える。「沢田製作所」何を製作しているのかは知らないが、通勤時間になると作業服を着たいかにもな人達がたくさん通る。まぁ、いかにもな仕事をしているのだろう。
その看板を右に曲がると駅はすぐそこだ。「加筆(かひつ)駅」という名前でその昔、何とかという偉いお坊さんがすごい事ををしたとか何とかで有名な寺の跡地に造られたそうだ。まぁ、そんな事どうでもいいのだが、この駅は特急、急行が止まらない上にかなりの田舎なので電車がなかなか止まらない。1時間に3本・・・いや、2本止まればいいほうだ。今日も俺を無視するかの様に過ぎてゆく急行電車を見ながら、入学式の事を考え憂鬱な気分で待合室のベンチに座っていた。そんな中、見覚えのある顔が俺の横に腰をかけた。by管理人タンジェント
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